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〈命を救う数字と言葉 - 002〉

73歳以上

「戦時の子どもたち」はグルマンに


 今(2011年)73歳以上はの人は戦争中が幼年期だった。戦中から戦後にかけて食べ盛りの時期だったのに、ろくに食べるものがなかった。今の北朝鮮のようだった。おそらくこの年代の人たちは、飢餓体験の記憶が深く刻まれているに違いない。

 しかし、彼らが社会人になり、働き盛りになる昭和40年代、高度成長期を迎えることになる。給料もボーナスもどんどん上がり、家や土地の購入、レジャーに投資する事ができた。そして食い気に走った。子どもの時に食べられなかったから、その分も取り戻そうと。

 ことに会社の経費を使い接待と称して、高級レストランに出入りするようになる。一般庶民がフランス料理やステーキを食べるようになった。

 グルメブームを作り出したのは、若い女の子たちではなく、実はこの働き盛りの年代ではなかったか。ことに、この人たちは食べ残さないことを美徳(?)としていた。『新聞カタカナ語辞典』(中公新書ラクレ)によると、グルメとは食通、美食家の意味だが、グルマンは大食家だと書いてある。彼らはグルメというよりグルマンだったのだ。

 結果、歳をとり肥満になり、糖尿病や高血圧症になり、死を招く大病にもなりやすいというリスクを背負ってしまった。73歳以上だけでなく、高度成長期を共に過ごしグルマンの同伴にあずかった人たちも同様だ。医療費が年間31兆円もかかるのは、高齢化社会になったからだけでなく、このような理由で患者が大量発生してしまったためではないか。

 だからといって、これは《グルマンだったことの報い》だと、あきらめろということではない。ふだんの生活の中で、ちょっとした工夫や心がけで、健康を維持していけば、リスクを減らすことは可能で、今からでも遅くない。

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