HOME > 命を救う数字と言葉 > 〈11〉30%以下 米離れで減る摂取量

〈命を救う数字と言葉 - 011〉

30%以下

米離れで減る摂取量


 米の摂取量が減っているという。昭和20年代など、おかずというものがなく、ご飯を何杯お代わりしたものだが、今は、若い人など、お茶碗に一杯がせいぜいだとか。さらにパン食が普及して、1日3度の食事で、ご飯を食べるのは多くて2度、たいていは1度いうことになってきたらしい。

 昭和30年代あたりまでは、食品別摂取量の比較でみると、米が60%近くだった。それが、昭和50年代の高度成長期、おかず類が充実してきたことで、40%を切るようになってしまったのだが、ついに平成10年から30%も切ってしまった。

 高齢の人たちは、米の摂取量が減ってきた事を、いい傾向ではないかと喜んでいるかもしれない。というのも、昔は、米の食べ過ぎが太る元とされていたからだ。40年前の家庭用医学辞典には次のように書かれていた。「日本人の死亡順位の上位を占める動脈硬化症や高血圧症の患者は、山形、秋田など白米を食べ過ぎがちな米産地帯にとくに多くみられる」と。若い人たちは大人から「太るよ」と言われ、米を食べなくなったのかもしれない。

 しかし、当時と今とでは大きな違いがある。前述の文の前に「脂肪質の取りすぎと心臓病・動脈硬化症・肥満症との関係が話題になっていますが、現在の日本人の脂肪の摂取量では、たいした問題にならないでしょう」と書いてあるからだ。つまり肉類などあまり摂っておらず、脂肪過多の心配のない次代、肥満の原因として、米が疑われたということだ。なんにせよ、食べすぎは栄養過多になり、肥満の原因にはなるだろう。

 今は、米の摂取量が減った代わりに、動物性食品が、この20年間に22%から24%へ増えている。米は重要なタンパク源だ。栄養のバランス上からももう少しご飯を食べるべきだ。

LinkIcon〈12〉6.5倍 この30年で激増し...

〈10〉6人に1人 糖尿病の疑いLinkIcon