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〈命を救う数字と言葉 - 012〉

6.5倍

この30年で激増した「肉食」


 つい30年前までは、脂肪過多の心配などせずにすむ、今からみると夢のような時代だったわけだ。しかし脂肪分の摂取量は増えに増え続けている。国民栄養調査によれば日本人1人あたり1日に摂取する肉類の量は、昭和30年は12グラムだったのに対し、平成12年は78.2グラムとなんと6.5倍にも増えてしまったのだ。企業健康診断などでも、「異常あり」とされる人の半分近くが血中の脂質が多い場合だ。

 要するにコレステロールや中性脂肪の数値が正常値を超えている。それも90年代の前半と後半で倍も異常が増えている。90年代前半はバブルの余韻がまだあったのだろう、レストランでステーキなどを食べていた。後半になると今度は輸入が自由化されるなどして、海外のビーフなどが手頃な値段で購入できるようになり、食卓にも並びはじめ、肉というとビーフという時代になってしまったためだ。

 50〜60年前は肉というと鶏肉が主で、ちょっとしたごちそうがトンカツ、ビフテキなどというものはレストランでしか食べられないぜいたく品だったのに。肉類を減らすためにはどうすればいいのか。我慢すればいいのだが、もっと自然に量を少なくする方法がある。それは、ご飯を積極的に食べようと心がければいい。

 レストランで、ステーキを注文する。すると、たいてい聞かれるだろう、「ライスにしますか、パンにしますか」と。男女関係なく、たいていの人はパンと答えるのではないか。ステーキにご飯だと重すぎるという気がするし、ステーキにはパンというイメージがあるからだ。これはハンバーグなど洋食を食べる時にも共通することだ。それを最初からライスを食べようと決めていれば、店も洋食屋ではなく、和食の店を選び、「さしみ定食」や「焼き魚定食」を注文しようとするに違いない。

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