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〈命を救う数字と言葉 - 013〉

男性26位

「長寿県沖縄」凋落の理由


 沖縄が長寿県として話題になり、それは食事のせいだとされ、沖縄食がブームに…。野菜が中心で、肉も牛肉はあまり食べず(かつてはアメリカ統治化にあったからか、ステーキ屋さんだけはいっぱいあるが、でも食べているのは本土からの観光客が大半で、最近は米軍基地の兵隊さんも、鶏肉を好んで食べるとか)、豚肉が主だからだ。

 しかし、下手するとこのブームも終焉を迎えるかもしれない。平成12年度の県別の平均寿命で、女性は相変わらず首位だったが、男性は26位にまで落ちてしまったからだ。日本人の平均寿命と比較してみると、沖縄の女性の平均寿命は、86歳、同じ年の全国平均は84.6歳なので、1歳半も上回っている。

 一方男性は、沖縄は77.6歳、全国平均は77.7歳なので、僅かながら低くなってしまった。平成2年に長野県に首位を明け渡してから凋落は早かった。こんなにも落ちてしまったのは、まったくといっていいほど運動をしなくなったからだ。沖縄には鉄道がない(平成15年に那覇空港から、首里までモノレールが開通した)。バスは走っているが、これがオンボロバスばかりで乗り心地が悪い。そこで、沖縄は1年中暑いということもあり、クーラーの聴いた車で移動するのが一番らくだということになった。

 復帰前は自家用車など持っている家は少なかったが、復帰後、生活が向上し、車を持てるようになった。
その代わり歩かなくなった。実際沖縄で歩いているのは、子供と年寄りの女性、要するに免許を持っていない人たちばかりだ。若い女性もほとんど免許を持つようになったので、そのうち女性も1位の座を明け渡すことになるかもしれない。これは沖縄の問題だけではなく、車社会と化している日本全体の将来像でもある。

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