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〈命を救う数字と言葉 - 020〉

4万4477人

10歳代の人工中絶


 昔は、避妊用具を買うのには、ちょっとした勇気が必要だった。

 今のように自動販売機などなくて、薬屋さんで、「コンドーム下さい」と言わなければならなかったからだ。

 今では薬屋さんもスーパーのようになり、カゴに入れてレジに出せば買えるようになったし、コンビニでも買える。それなのに、最近の若い人たちは、なぜか避妊用具を使おうとしない傾向がある。それがよく判るのは、中絶する10歳代の女性が増えていることだ。

 女性1000人あたりの人工中絶者が、10歳代以下は、昭和40年2.5人だったのに、昭和60年あたりから増え6.4人になり、平成9年は7.9人になり、平成12年は、昭和50年の倍近く12.1人にまでなってしまった。数にして4万4477人にものぼる。

 都立高校を調査したら、妊娠している者はいないと答えたのは、30校中わずか2校だったという報告もあった。理解に苦しむところだが、たとえば出会い系サイトで「割のいいバイト」をする女子高生たちは、いざ、「働く」時に避妊用具は用意していないのだろうか。相手も持っていなかったら、そのままいたしてしまうのだろうか。避妊をしないのだから、当然エイズにも感染しやすくなる。先進国では日本のみ増えている。

 恥ずかしい事だと思わなければならない。平成14年度の感染者数614人、平成15年1月から3月までは146人、4月から6月までは135人の感染者が出ている。平成8年、薬害エイズ訴訟が和解になってからエイズへの関心が薄れて始めたという。感染したら、死との恐怖と戦うしかないのだよ、それは今も変わりはないよ、との認識を高めなければいけない。

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