〈命を救う数字と言葉 - 006〉
44%
痩せゆく女性
女性は痩せる傾向がはっきり出てきている。ダイエットブームのためだ。20歳代の44%、半分近くが痩せになっているという。
別の報告では20歳代、30歳代では痩せが20年前の倍に増えたという。ここでいう痩せとは、BMI値が18.5未満を指す。
スリムな女性が多い方がいいではないかとの男性の声はあるだろうが、けっしていい傾向とはいえない。肥満だけが死につながる病気へのリスクが高いのではなく、痩せも同様に高いからだ。これは厚生労働省研究班の報告(平成14年1月)によっても明らかになっている。
40歳代、50歳代の全国4万1000人を対象にした調査で、女性の場合、もっとも死亡率が少ないとされている値(BMI値19~24.9の間)に比べると、14~18.9までの間は倍に増えてしまう。
肥満の場合は30以上で、同じく倍になる。
これが男性になるといちばん低い値が従来言われていた22前後ではなく、少し太めの23~24.9であることが判った。肥満では女性同様30以上だと倍になるのだが、痩せの(この調査では)19未満では2.3倍にもなってしまう。
さらに25以上を肥満としてきたが、この調査で、25~30までの死亡率は1.2倍にすぎず、それほどのリスクではないことも判った。つまり日本も30までは肥満前段階としてかまわないという筆者の主張が裏づけられたことになる。
痩せのリスクが高いのは、病気になって痩せた人が大勢含まれているためだとされていた。しかしこの調査は、40代、50代を対象にしているから、病気で痩せたという人はまだ少ないだろう。やはり、少し太めな方が免疫力があり、病気、ことに感染症に打ち勝てるということだ。