〈命を救う数字と言葉 - 009〉
66.5歳
糖尿病患者の平均寿命
ちょっと古い資料だが、1980年代の糖尿病患者の平均寿命データがある(糖尿病学会調べ)。男性66.5歳、女性68.4歳、かなり低い。これでは戦後まもない頃食べる物がなかった時代の日本人の平均寿命と変わらない。1985年時点の平均寿命は、男性74.8歳、女性80.5歳だから、男性で八歳とちょっと、女性に至っては12歳も差があった。糖尿病がいかに死を早めるかということが如実に判るだろう。
糖尿病学会の調べでは、糖尿病患者のうち、がんで死ぬのが29.2%、心筋梗塞などが14.6%、脳血管障害が13.5%、腎障害が11.2%とのこと。
困るのは、糖尿病になっても自覚症状がないことだ。気がついた時には、かなり進行した状態になっていたりする。だからこそ、会社の健康診断などで、常に血糖値を把握しておかなければいけない。
以前に比べて、早めに治療にあたれるようにという理由で、数値が厳しくなっている。それまでは空腹の状態で血糖値を測った時に140mg/dl以上としていたのが、126mg/dl以上は糖尿病とされるようになった。空腹であるなしに関わらず任意の時間に測る方法もとられるようになり、こちらは、200mg/dl以上を糖尿病とした。
ただ、空腹時126の数値を少しぐらい超えたからといって、あわてて病院に駆け込み、薬など処方してもらわなくていいと、良心的な医者は言う。ちょっとでも超えたら医者に駆け込むのでは、医者を儲けさせるだけだ。
肥満度の考え方と同じで、警戒域に入ったということで、まずすべきことは食事の量を減らすとか、生活の改善だろう。
しかし、どの測り方でも数値が200を超えたら、これは正真正銘の糖尿病で直ちに治療に入らなければならない。